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ガン治療「統合医療」脚光 フコイダンの抗腫瘍効果に注目

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2007年8月24日 産経新聞

ガン治療「統合医療」脚光
フコイダンの抗腫瘍効果に注目


◆九州大学・白畑教授NPOの症例会で研究発表

ガンは、日本人の死亡原因のトップを占める。医療が進歩する一方で、年々増え続けるガンに対して、現代医療と代替医療を組み合わせた「統合医療」が、クローズアップされている。今なぜ、統合医療なのか。注目されているフコイダン療法をみた。

現代医療の進歩によって、平均寿命は延びている一方、ガンや心臓病、脳卒中、糖尿病、アレルギー疾患など、慢性的な病気で苦しむ人が増えている。
平成17年の厚生労働省調査によると、日本人の死因の上位は、1位ガン、2位心疾患、3位脳血管疾患。ガンが全体の約3割を占め、日本人の3人に1人が、ガンで亡くなっている。高齢化とともにガンは年々増え続け、2015年には1年間に89万人もの人が新たにガンにかかると予想されている。
現代医療のスタンダードである西洋医学は、悪い部分をピンポイントで治療するという発想で飛躍的に発展してきた。ガンも早期発見・早期治療ができれば、昔のように治らない病気ではなくなっている。

ガンの治療は大きく分けると、手術、抗ガン剤による化学療法、放射線療法の3つがある。西洋医学ではこれらを組み合わせて行うのが一般的だが、手術は体の負担が大きく、抗ガン剤や放射線はガン細胞だけでなく正常な細胞にまでダメージを与えてしまう。ガン治療が患者を苦しめるケースも多く、今も有効な治療法が見つかっていないのが現状だ。
現代病に対応できない西洋医学の限界が指摘されるなか、今、代替医療の有効性が見直されている。代替医療は、科学を基盤とした西洋医学の範囲に入らない医療を指す。鍼灸やアーユルベーダなどの伝統医学、アロマテラピーやカイロプラクティック、民間療法や食事療法、健康食品など。
代替医療は、病気を生命システムの不調と捉え、体全体の自然治癒力を上げるのが特色。近年、代替医療の研究が進み、現代医療と代替医療を組み合わせて、お互いの弱点を相互補完する「統合医療」が注目され始めている。

さきごろ、大阪市中央区の大阪国際会議場で、NPO法人「統合医療と健康を考える会」による「低分子化フコイダン療法症例検討会」が開かれた。
「統合医療と健康を考える会」は、代替療法を客観的な立場で研究し、医師らとともに、代替医療の普及と統合医療の実現に向けて活動している。症例検討会では、健康食品のフコイダンを使ってガン治療を実践する医師約30人が集まり、数多くの症例について情報交換が行われた。
フコイダンは、コンブやワカメ、モズクなど、褐藻類に含まれるぬめり成分。キノコに含まれるベータ−グルカンと同じ多糖類の仲間である。
フコイダンには、フコース、ガラクトース、ウロン酸などが含まれる。とくに硫酸基がついたフコースを多く含み、細胞のさまざまな機能に影響を与えることが分かっている。

「とくに注目されるのが、抗腫瘍効果です。フコイダンには、ガン細胞を自然死に導くアポトーシス誘導作用がある。他にも、ガン細胞が栄養補給のために作る新生血管を抑制する作用、マクロファージの活性化などの機能を持つことが、研究で明らかになっています」と、今回、研究発表を行った九州大学大学院農学研究院の白畑實隆教授は話す=写真。白畑教授は、フコイダンの臨床例の多さに着目し、6年ほど前から研究を行っている。
フコイダンが注目される理由はそれだけではない。細胞の表面には、細胞同士の情報伝達をつかさどる「糖鎖」が産毛のように生えている。この糖鎖を構成しているのが、フコイダンに含まれるフコースをはじめ、グルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸の8種類の糖。
糖鎖は、体内に侵入したウイルスや、ガン細胞を感知して免疫システムに働きかけたり、ホルモン分泌系に働きかけたり、生命維持に欠かせない重要な働きをしている。その中でフコースが免疫系に重要な働きをすることが分かっているという。

今回の症例検討会では、久留米大学医学部消化器内科部門の高田晃男医師から、ステージIVの末期の肝細胞ガンの女性(47)が、低分子化フコイダン療法によって劇的に回復し延命につながったケースなど、さまざまな症例が発表された。

「酵素で分解した低分子化フコイダンは、腸から吸収されやすく、深部のガンにも効果があるのではないかと考えられます。これからは、その後再発しないのか、再発しないためにはどうすればいいのかなど、さまざまな検証が必要。心のケアや生活習慣の見直しなど総合的なアプローチも求められる。海藻からエキスを抽出すると、ヒ素も濃縮されてしまうため、海洋汚染のないトンガ産モズクの製品を選ぶなど、製品の安全性にも注意が必要。多くの人に使ってもらうためには、価格が高いのも課題です」(白畑教授)。

フコイダンに関してはこれまで日本が研究をリードしてきたが、近年、ヨーロッパや中国でも盛んに研究が行われ、世界的な研究競争に入っているという。
ガンや糖尿病など慢性的な生活習慣病に対して、現代医療は対処療法的なものが多い。根本的に治すには、今の医学とは別のアプローチが必要です。統合医療は、西洋医療の良さを認めながら、その限界を代替医療でカバーするもの。臨床例が増えれば、より効果的なガンの治療法が確立される可能性もある」と、白畑教授は期待を寄せる。
〈企画・制作〉産経新聞社生活情報センター

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