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2006年11月17日 日本経済新聞
【「糖鎖」を高速解析 - 北大など装置開発 - 】
北海道大学などの産学研究チームは、病気の発症に関する生体物質「
糖鎖」の構造を高速解析できる装置を開発した。二週間かかっていた作業を五時間程度に短縮できるうえ、多糖類の
糖鎖を一度に調べることが可能。
糖鎖の構造が分かれば、血液一滴でがんなど様々な病気を早期診断できるようになると期待され、世界中で糖鎖の研究競争が盛んになっている。高速解析装置で診断技術の開発が加速する。
北大の西村紳一郎教授らのほか、住友ベーグライト、塩野養製薬、日立ハイテクノロジーズが参加して開発した。研究チームは新型装置を優先利用できる研究会を設立し、病気ごとに早期診断法を確立する。
糖鎖はたんぱく質や資質に結合している物質で、病気になると構造が変化する。例えば胃がんや大腸がんの場合、細胞表面の
糖鎖の構造が変化することが分かっている。血液を採取して
糖鎖の構造を調べれば、どんな病気にかかっているのか把握できる。血液から癌を診断する手法はあるが、現在は前立腺がん以外は種類まで特定するのは困難とされている。
開発した装置は、一度に三十〜四十種類の
糖鎖を五時間程度で調べられる。分析に必要な血液も一滴で十分。
糖鎖を調べる独自の専用物質を開発したほか、解析作業も自動化した。従来は一種類分析するだけでも二週間程度かかっていた。
がんなど一部の病気を除き、
糖鎖の構造と病気との関係は詳しく解明されていない。新型装置は一度に九十人分の試料を調べられることもあり、患者と普通の人との
糖鎖構造の違いを短時間で比較できる。
北大などのチームは「GFRG研究会」を今月設立した。新型装置を研究会メンバーに使ってもらい、病気ごとに
糖鎖を解析して早期診断法を開発するのが狙い。新型装置を商品化する前に診断技術の開発に応用する。
研究会には装置の共同開発企業のほか、三菱化学、伊藤忠系のサイエンス・テクノロジー・システムズ、東北大学、東北薬科大学、慶応大学、国立成育医療センターなど十八社・団体が参加している。
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糖鎖
糖鎖はブドウ糖などが樹状につながった生体分子。たんぱく質や脂質に結合し、細胞表面に張り出している。血液の「ABO型」は、赤血球表面の
糖鎖の構造で決まる。
糖鎖は、他の細胞や細菌、ホルモンなどと結合して
情報をやりとりする「アンテナ」の役割も果たす。病気になると構造が変化する。これまでの研究では、がんの発病や転移、関節リウマチの炎症などにかかわっていることが分かっている。
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